ドイツのロング・ヘアー・ミュージックから、本作レコーディング時の未発表音源(アウトテイク)2曲をボーナスで加えての、06年新規リマスターでのリシュー。音質はクリアで迫力もあってよい。B.B.ブランダーはブロッサム・トゥズの後進バンドともいえるグループで、トゥズ解散後の70年に、ブライアン・ゴディングとブライアン・ベルショウがトゥズのファースト時のドラマーだったケヴィン・ウエストレイクと共に新たにロンドンで結成した。本作は、71年にUKユナイテッド・アーティスツからリリースされた唯一のアルバムで、メンバーは、前述のゴディング、ベルショウ、ウエストレイクのトリオ編成を基本に、曲によってジュリー・ドリスコール、マーク・チャリグ、ニック・エヴァンス、ブライアン・オーガー等々が適時ゲスト参加。概ね、トゥズのセカンドのハードネスを継承しつつ、いい塩梅にスワンピーなレイドバック感か加味されたパブ・ロック調サウンドを展開していて、ブルース色とパブ・ロック色がスモーキーなサイケ感に収束。ディングのある意味キレた感じのサイケなギターと、ベルショウのヘヴィでグルーヴィなベース、ウエストレイクのドカスカなドラムのマッチングは素直のカッコよく、ブラス等のゲスト陣のハマりのよさも含め、演奏のバンド感も濃密さも申し分ない。楽曲やアレンジの一捻り感は、例えばファミリー辺りにも近似する印象で、パブ・ロック感内包のサイケ系としてその線の愛好家ならまずもって楽しめるだろう、ともかくもセンスのよい好盤と思う。
輸入盤/デッドストック入荷
(Psyche/Blues,Pub Rock,Swamp,Progressive / Jewel-case CD(2006 Re-master) / Long Hair/German)