韓国のジョンパサ/ミラーボール・ミュージックからのリリース。ジョンパサ(電波寺)は、おそらくソウル出身のグループで、ユン・ソンフン、キム・デウイン、カン・ミンソクの3人によって19年に結成されている。本作は、21年にリリースされたファースト・アルバムで、タイトルの日本語訳は「億劫のサイ - キ」となるらしい。メンバーは、前述のユン、キム、カンのトリオ編成で、ポスト・ロック/マス・ロックを基調としたヘヴィ・インストを展開。演奏自体はほとんどハード・ロック調で炸裂しっぱなしだが、リフやフレーズにブルース色が薄く、ギターの音色も歪みが強くない分、ハード系というよりはやはりポスト・ロック系という印象。ある程度のキメ事を踏まえて、1コードまたは2~3コードのインプロで盛り上がるスタイルで、わりと饒舌に弾きまくるザクザク系ギターと、太い音でグルーヴ感を担うゴリゴリ系ベース、ボトムを支えながら適時間を埋めるドラムのアンサンブルはバランスがいい塩梅で、一体となって疾走するバンド感も十分。時折変拍子も交えたマイナー進行が軸の楽曲、目眩く場面転換を畳みかけてくるアレンジは、それなりにプログレ色が内包されていて、同じテイストが続くわりにはけっこう飽きずに聴ける。例えば、サヴァート・ブレイズやソニック・フラワー辺りに通じる『火を吹く』系の爆発感で、終始盛り上がりっぱなしのハイテンションさは素直に圧巻というか、当世風サイケ感のハマりも普通にカッコいい。その線の愛好家ならまずもって楽しめるだろう好盤と思う。
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輸入盤
(Psyche/Hard,Post Rock,Alternative / Jewel-case CD(2021) / Zeonpasa/Mirrorball Music/Korea)