ドイツのシレーナ・レコードから、93年のマテリアルを含む未発表音源3曲をボーナスで加えての、デジパックでのリリース。ツィグリ(aka.ツィグリ・エゴ・ズー)は、ギュンター・シッケルト、ウド・エルデンライヒ、ディーター・ケルシュが、87年にベルリンで結成したグループ。クラブハウスのライヴ・サーキットで精力的にライヴ活動を行なっていたが、作品リリースのないまま97年に解散するが、解散後も度々セッション等で共演の機会があった3人は、11年に再結成してツィグリとしての活動を再開、14年にファースト・アルバムをリリースして現在も活動中。本作は、16年にリリースされたセカンド・アルバムで、メンバーは、前述のシッケルト、エルデンライヒ、ケルシュのトリオ編成。概ね、ノイとカンの狭間をいくような人力トランス・サイケ・プログレ調サウンドを展開していて、80年代以降のポスト・ロック的なソリッドさと、70年代以前のクラウト・ロック的セッション感が交叉。ハンマー・ビート感が内包されたベース&ドラムの呪術的なループ・リズムに、マニュエル・ゲッチング的エコー・ギターがミニマリスティックに絡むスタイルが基本で、他にトランペット、口琴、コンガ、ボーカルなどが曲によってアクセントを添える。例えば、97年の再編アシュ・ラ程スタイリッシュではなく、初期衝動が見えるパンキッシュなラウドさが顕われている感じだが、かといってアングラ感満点という程のダーク感でもなく、シッケルトのソロ諸作辺りにも通じるある種の狂気のようなものが、プログレ的整合感とせめぎ合っていて面白い。全体に、エコー・ギターのハマりがよくバンド感も十分で、この線としてはけっこうカッコいい好盤と思う。余談だが、ツィグリとはメキシコのタラフマラ語でペヨーテ(知る人ぞ知る幻覚サボテン)のことらしい。
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輸入盤/デッドストック入荷
(Psyche /Trance,Electronics,Progressive / Digi-Pack CD(2016) / Sireena/German)