フィンランドのスヴァルト・レコードから、限定ペーパースリーヴでのリシュー。見開き紙ジャケ仕様。グルグルは、それまでヴォルフガング・ダウナーやイレーネ・シュヴァイツァーのバンドの他、主にフリー・ジャズ畑で活動していたマニ・ノイマイヤーが、セッション等で顔馴染みだったウリ・トリプテとともに、68年にスイスのチューリッヒで結成したグループで、カンやアモン・デュール、アシュ・ラ・テンペル等々と並ぶ、バンド形態のジャーマン・サイケ&プログレを代表する存在の1つ。結成当初はヴォーカルやサックス、オルガンも含めた5人編成だったようだが、69年にノイマイヤーとトリプテを残して3人が脱退、代わりにアジテイション・フリーにいたアクス・ゲンリッヒが加入してトリオ編成となる。本作は、タイトル通り70年10月のエッセン・ポップ&ブルース・フェスティヴァルでのライヴ音源を収録した発掘ライヴ盤で、25日のグルガハレ・アリーナでの演奏、内容は02年ドイツのガーデン・オブ・デライツ盤と同じ。メンバーは、前述のノイマイヤー、トリプテ、ゲンリッヒのトリオ編成。「UFO」から「ストーン・イン」と「LSDマーチ」、翌年リリースされる「ヒンテン」から「ボー・ディドリー」の3曲を演奏していて、アシッドの香りが充満するヘヴィなサイケ・インプロを十二分に堪能出来る。フリー・ジャズの残滓が担保されたリズム隊はともかくも強力で、ブルージーでハチャメチャなギターと一体となって、鉛の塊が突進していくような攻撃性に収束。この、ヘヴィネスを伴った炸裂感は非常にカッコよく、正しくサイケで文句なしの好ライヴ盤と思う。
輸入盤/限定プレス
(Psyche/Progressive,Free Jazz / Paper-Sleeve CD(2021) / Svart Records/Finland)