USAのACME/ライオン・プロダクションズから、デジパックでのリシュー。ゴーレムはケルン出身のグループで、マンゴやヨアヒム・ボーネ等が中心となって70年代初頭に結成されたようだ。本作は、70年代後半(73年説もあり)に、ドイツのピラミッド・レコードから100枚限定のプライヴェート・プレスの自主制作盤としてリリースされたものと思われるが、はっきりしたことは判らない(CDのライナーには72～74年にかけてレコーディングされたマテリアルとあり、それだと73年説は矛盾する)。メンバーは、ウィリ・ベルグホッフ、マンフレッド・ホフ、マンゴ、ヨアキム・ボーネの4人編成が基本で、曲によってロルフ・フェラーを加えたツイン・ギター編成にもなる。プロデュースはジーニアス・P・オリッジ。概ね、初期ピンク・フロイド、アモン・デュール2、ホークウインド辺りの要素をゴタ混ぜにしたようなヘヴィ・サイケ・インストを展開していて、ある意味典型的なジャーマン・クラウト・サウンド。一貫してダークだが、わりとノリのよいバンド感のある横ユレ系インプロが中心で、エレクトロニクスとバンド演奏のサイケな融合感は、例えばギラ、アジテーション・フリー、初期アシュ・ラ・テンペル辺りにも通じる印象。ほぼ知名度はゼロと思うが、この線としては演奏が濃密でわりと素直にカッコよく、いかにもジャーマン・クラウト然としたディープな盛り上がりを堪能出来る。この、ホークス系のドラッギーなアンダーグラウンド感の満点振りは、あまり広く一般ウケするタイプではないかも知れないが、この線としてはともかくも正しくサイケな好盤と思う。
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輸入盤／デッドストック入荷
(Psyche/Progressive,Art Rock / Digi-Pack CD(2015) / ACME/Lion Production/USA)
