UKのスプーン・レコードから、07年新規リマスターでのリシュー。音質はクリアで迫力もあってよい。カンは、ミュージック・アカデミアの教師だったホルガー・シューカイとイルミン・シュミット、フリー・ジャズ畑のドラマーだったヤキ・リーヴェツァイトが、映画のサントラ制作の為に68年にケルンで結成したインナー・スペースを母体とするグループで、アカデミアでシューカイの生徒だったミヒャエル・カローリ加入後にカンに改名した(異説あり)。唯一無比の個性と先鋭的な音楽性を放ち、その後のプログレ、パンク、ニュー・ウェイヴ、テクノ等々、数多のミュージシャン達に影響を与えたジャーマン・サイケを代表するバンドの1つ。本作は、70年にドイツのリバティからリリースされたセカンド・アルバムで、70年にカンが担当した映画のサウンドトラック音源をコンパイルしたもの。クレジット・メンバーは、前作からのシューカイ、シュミット、リーヴェツァイト、カローリの4人に、前作後ドラッグのオーバードーズでアメリカに帰郷してしまったマルコム・ムーニー、ミュンヘンのカフェでシューカイにスカウトされた日本人ヒッピーのダモ鈴木(またしても素人ボーカル)の6人。ムーニーが唄う2曲(5,7曲目)と、ダモ鈴木が唄う4曲(1,2,4,6曲目)の他、インスト1曲(3曲目)という構成で、サントラのよせ集めではあるが全体を通してある種の整合感があって、ファースト同様にアングラ&ヴァイオレント系の強いインパクトを放つ。特に『早春』という映画で使われた6曲目の「マザー・スカイ」は、テンションの高いワン・コード・インプロで疾走しながら異常な盛り上がりを見せ、圧倒的でわかりやすいカッコよさを放つ佳曲で、取っ掛かりとしては適しているかも知れない。EUプレス盤
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輸入盤
(Psyche/Progressive,Blues / Jewel-case CD(2007 Re-master) / Spoon Records/UK,EU)