オーストリアのオーストリア・レコード・ファインダーから、デジパックでのリシュー。ブレイヴ・ニュー・ワールドはハンブルクを拠点に活動したグループで、本作は72年にドイツのヴァーティゴからリリースされた唯一のアルバム。メンバーは、アイルランド人のジョン・オブライエン・ドッカー(ex.ザ・シティ・プリチャーズ,etc)を中心とした、ラインハルト・フィルショワ、ヘルブ・ゲラー、ルーカス・リンドホルム、ディッキー・タルラッハの5人編成、1曲でエスター・ダニエルズ(アイルランド人)のリーディングが入る。2人のアイルランド人と4人のドイツ人による混合編成で、グループ名やアルバム・タイトルから判る通り、オルダス・ハックスリーの著書「すばらしい新世界」をモチーフとしたトータル・コンセプト作品。例えば、ブレインチケットやビトウィーン辺りに通じる、音響系サイケ・プログレとでも云える感じのサウンドを展開していて、基本的にほぼインスト。全体に、ちょっと独特の雰囲気と透徹感を放っているというか、エレキ&アコースティック・ギター、各種フルート、サックス、パーカス、SEが飛び交い、オルガンのドローンがうねり、エスニックなリズムのドラムが鳴り響いていて、ジャズ、民族音楽、プログレをサイケで括った感じのインプロヴィゼイション中心のサウンド。概ねカオティックな聴きづらさはなく、非常に上手く整理された上等なサウンドで、適度にグルーヴ感のある演奏も上手い。肯定的ダーク感の強い楽曲とアレンジもかなり上等で、素敵なスリーヴも含めジャーマン・サイケ系文句なしの好盤と思う。カッコよし!。
輸入盤/デッドストック入荷
(Psyche/Progressive,Jazz,Experimental / Digi-Pack CD(2009) / Austria Record Finder/Austria)