ドイツのトンツォネン・レコードから、3面開きデジパックでのリリース。アシッド・ルースターはライプツィヒ出身のグループで、ゼバスティアン・フェイト(ex.スージー・クリーム・チーズ,etc)、マクシミリアン・ライヒ、シュテフェン・シュミット(ex.スージー・クリーム・チーズ,etc)の幼馴染3人によって結成されたらしい。17年にライヴ作品を自主制作カセット・テープでリリース後、19年にファースト・アルバム「アシッド・ルースター」をドイツのサンヘアー・ミュージックからリリース、現在も活動を続けている。本作は、24年にリリースされたフォース・アルバムで、メンバーは、前述のフェイト、ライヒ、シュミットのトリオ編成を基本に、曲によってプロデューサーのジェイソン・ショーが適時ゲスト参加。概ね、前々作、前作からの延長線上にある、スペイシー・サイケ・プログレ調サウンド変わらずだが、ツアーの合間を縫ってレコーディングしたインプロ主体のセッション音源基に、管楽器やヴィブラフォン、シンセ等々をオーバーダブ&エディットして完成させたとある。その意味では、よりアシュ・ラ・テンペルやコズミック・ジョーカーズ方面に近似する仕上がりになっているというか、ヒプノティックな反復リズムを基調に、次第に盛り上がっていくアンサンブルは、この線としてはわりと素直にカッコいい。タレ流しになり過ぎないプログレ的アレンジと、ドラッギーだがアングラ過ぎないサイケ感もいい塩梅で、当世風ポスト・ロック調のシュアーさと、往年のジャーマン・クラウト系のギラギラ感が交叉する好盤と思う。
輸入盤
(Psyche/Progressive,Post Rock / Digi-Pack CD(2024) / Tonzonen Records/German)