UKのヴォイスプリントから、ボーナス1曲(日本V2盤と同じ)を加えてのリシュー。スラップ・ハッピーは、ドイツ在住のアンソニー・ムーア(イギリス人)と、その奥さんでもあるダグマー・クラウゼ(ドイツ人)に、ヨーロッパ放浪中にドイツに暫く滞在していたピーター・ブレグバット(アメリカ人)の3人が72年にハンブルクで結成したグループ。ムーアもブレグバットも、ミュージシャンというよりは美術学生くずれのインテリ青年といったアーティスト肌の輩で、その意味ではかなり面白いエクスペリメンタルなストレンジ・サウンドを創り上げる。本作は、98年にUKのV2からリリースされた再編アルバムで、スラップ・ハッピー名義通算4枚目。メンバーは、上記のダグマー、ムーア、ブレグバットのトリオ編成で、プロデュースはローリー・レイサム。全体に実験色は薄く楽曲もキャッチーな印象だが、かといってポップスと呼ぶにはストレンジ感があって、その辺の微妙なバランスが非常にいい塩梅というか、ある意味独特のニュアンスを放つサウンド。淡々と控えめだが同時に濃密で豊かで、相変わらず線は細いが達観した深さのダグマーのシンギングと、それを包むようなムーアとブレグバットのギター、キーボード、パーカス、ザズ、テルミン、メロディカにエレクトロニクスを絡めたバックは、肯定感と諦観が同居する楽曲と歌詞も含め、まさに円熟を感じるサウンド。特に1曲目は稀代の名曲かも知れず、人間の機微を歌った胸に染み入るナンバーが並んでいて、アレンジもカッコいい文句なしの好盤と思う。
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(Progressive/Strange Pop,Canterbury,Psyche / Jewel-case CD(2009) / Voiceprint/UK)