UKのブラウル・レコードから、見開きデジスリーヴでのリリース。ローラ・キャネルはノーフォーク州レイブニンガム出身のヴァイオリン&リコーダー奏者で、トラッドや古楽をモチーフとした即興演奏を中心に90年代後半からソロ活動を開始、近年はホーシズ・ブラウル、ホイッスリング・アロウ等でも活動している。本作は、22年にリリースされたソロ名義セヴンス・アルバムで、『森の中の鳥たちの囀りから着想を得た』との文言通り、バス、テナー、アルト、ソプラノ等々の各種リコーダーを駆使して、架空の囀りや鳥にまつわるファンタジー・ストーリーを構築。全てローラ1人による演奏で、各種リコーダーを適時使い分けて、リヴァーブやエコーをカマせたり、エフェクターで変容させたり、ループさせたりさせなかったりでコラージュ/エディットしていて、カラス、ズズメ、フクロウ、ハチクマ等々、どの曲もその鳥らしい囀り感はわりと見事。全体に、何かしらの鳥っぽい鳴き声がミニマリスティックに淡々と続き、何とはなしにボ~っとしたドローン感の中で聴き流せてしまうが、埋没してしまうとそれがけっこう心地好かったりもして、その意味ではある種のメディテーション・ミュージックとしても成立。「ああ、これはフクロウに似ているな」などと耳を傾けているうちに、各リコーダーの音色が本当の囀りのように感じられ、いつの間にか意味や意思のようなものまでが聴こえてくるような感覚は、ともかくも優れて瞑想的で非常に面白い。正しくサイケで静謐なサウンドスケープの好盤と思う。
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輸入盤
(Psyche/Experimental,Drone,Minimal / Digi-Sleeve CD(2022) / Brawl Records/UK)