スイスのインタクト・レコードからのリリース。フレッド・フリスはサセックス州ヒースフィールド出身のギタリスト&インプロヴァイザーで、何よりヘンリー・カウ、アート・ベアーズ、スケルトン・クルー、マサカー、ネイキッド・シティ等々での活動で知られていると思う。フレッド・フリス・トリオは、フリスがレプリカンツ、ロヴァ::オルケストロヴァ等のリズム隊のジェイソン・フーペス、ジョーダン・グレンと共に15年に結成したグループで、本作は16年にリリースされたファースト・アルバム。メンバーは、前述のフリス、フーペス、グレンのトリオ編成で、フリス、パトリク・ランドルト、レーベルの共同プロデュース。概ね、不協和音スレスレのノイジーなフラグメントを軸とした、わりと独特のインプロヴィゼイションを展開。常に誰かが何らかのノイズを出していて、オフ・リズムとオン・リズムが目眩く交叉する、何かの実験音楽のサントラのようなサウンドだが、レスポンスの応酬で織り上げられる場面転換の妙は見事で、何かしらの情景や光景、風景等のイメージが、モザイク状にコラージュされていくような感覚を体験出来る。『このトリオを始動するにあたり、私は60年代末のピンク・フェアリーズのメンバーや、シド・バレット、デイヴ・ギルモア、デイヴィッド・アレン等との即興セッションに参加した記憶にチェネリングした』とのフリスの弁があり、それはそれで興味深く聴いてみたいものが、フリスにとっては音は常にリアルで、3人とも面白くてしょうがないという印象の演奏。おそらく一般にウケるサウンドではないが、この線でバンド感が担保されているのは凄いことで、非常に正しくサイケな好盤と思う。
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(Psyche/Experimental,Avant-Garde / Jewel-case CD(2016) / Intakt Records/Switz)