ハンガリーのブダペスト・ミュージック・センター・レコードから、見開きデジスリーヴでのリリース。クレメン・ジャニネは、CMDL(ディディエ・ロックウッド音楽センター)でロックウッドに師事してヴァイオリンと即興演奏を学び、07年にCNSMDP(パリ国立高等音楽・舞踊学校)のジャズ&即興部門で賞を受賞後、即興チェンバー・アンサンブルのラディエシオン10に加入した。数多のセッションやユニット、共演活動と並行して、17年に自身のチェンバー・アンサンブルOURS(オーネット・アンダー・ザ・リペティティヴ・スカイズ)を結成した。本作は、22年にリリースされたOURSのサード・アルバムだが、ジャニネのソロとしては4枚目となる。メンバーは、OURSの前作「ダンス?」と同じジャニネ、ユーグ・マイヨ、ジョアキム・フロラン、エマニュエル・スカルパのクァルテット編成を基本に、曲によってアルノー・ラプレ、ゼ・ジャム・アファネが適時ゲスト参加、プロデュースはラズロー・ゲース。概ね、RIO系チェンバー・ロック色を内包したチェンバー・ジャズ方面というか、前作までのジャズ色はある程度担保しつつも、明らかにジャズの範疇からハミ出たエクスペリメンタルなドローン感が顕われているサウンド。少し涼やかな2曲目や各曲の管楽器ソロ辺りにジャズ的な残香は感じられるが、他はドローンまたはダークなロック調アンサンブルが軸で、メディテーショナルな1曲目や、独特の盛り上がりが素直にカッコいい4曲目などなど、全体に濃密で聴き応え十分。例えばオーネット・コールマンのような、どこか原初的なスピリチュアル感が、重厚なサウンドスケープに収束していて、非常に正しくサイケな好盤と思う。
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輸入盤
(Psyche/Experimental,Chamber Jazz / Digi-Sleeve CD(2022) / Budapest Music Center Records/Hungary)