USAのRVNGインテルから、限定ペーパースリーヴでのリリース。3面開き紙ジャケ仕様。ヴィジブル・クロークスはオレゴン州ポートランドを拠点とするエレクトロニクス・デュオ・ユニットで、スペンサー・ドーランのソロ・プロジェクトにライアン・カーライルが加わる形で14年に結成、17年セカンド「リアッセンブラージュ」がアンビエント/ニュー・エイジ界隈で話題となった。尾島由郎は東京都出身のコンポーザー兼サウンド・デザイナー兼プロデューサーで、明治大学工学部在籍中にインディー・レーベル「複製技術工房」を設立、82年以降舞台やファッション・ショーの為の音楽、水族館、美術館、ホテル等のサウンド・デザインなどを幅広く手掛ける。柴野さつきは仙台市出身のピアニストで、東京音大ピアノ科を卒業後の79年にフランスに渡ってJ.J.バルビエに師事、以降はエリック・サティの研究家&現代音楽系ピアニストとして現在も活動中。本作は、19年にリリースされた『ヴィジブル・クロークス、尾島由郎&柴野さつき』名義のコラボレーション・アルバムで、RVNGインテルのFRKWYS シリーズ第15弾。メンバーは、ドーラン、カーライル、尾島、柴野の4人で、ピアノ、シンセ、エレクトロニクス、ヴォイス等々を駆使した、エレクトロ・アコースティック要素内包のアンビエント・サウンドを展開。サティ的ピアノや空気感シンセ、モアレ感十分のアブストラクト系ノイズ・フラグメント、柴野のエレガントなウィスパー・ヴォイス等々が、スタイリッシュなデザインの中でドローン感に収束していて、静謐な透明感満点。嫌味なほどにきっちり過ぎるオシャレな洗練感だが、その辺りも含め美しくも心地好いサウンドスケープと思う。
輸入盤/デッドストック入荷
(Psyche/Electronics,Ambient,Drone,Progressive / Paper-Sleeve CD(2019) / RVNG Intl./USA)