UKのロケット・レコーディングスから、限定ペーパースリーヴでのリリース。見開き紙ジャケ仕様。ザ・ユートピア・ストロングは、カヴース・トラビ(ex.モンスーン・バスーン(ファゴット),カーディアックス,ナイフワールド,ゴング,etc)、マイケル・ヨーク(ex.コイル,ゼフィラス,レッド・ドッグ・グリーン・ドッグ,etc)、スティーヴ・デイヴィス(ex.マッチルーム・モブ,etc)の3人が、18年にグラストンベリーで新たに結成したユニットで、プログレ畑のマルチ奏者、バグパイプ&管楽器奏者、元スヌーカー(プロのビリヤード選手)という面白い組合せのグループ。本作は、22年にリリースされたセカンド・アルバムで、メンバーは、前述のトラビ、ヨーク、デイヴィスのトリオ編成を基本に、「キャスタリア」でキャサリン・ブレイク(ex.メディエバル・ベイブス,フロム・ザ・ディープ,etc)がゲスト参加、トラビ、ヨーク、デイヴィスの共同プロデュース。概ね、前作の延長線上にある、ゴッタ煮エレクトロニクス・プログレ調サウンドを展開していて、相変わらずゴング方面のサイケな浮遊感とタンジェリン・ドリーム方面のシリアスな透徹感が交叉する、かなり面白い仕上がり。シーケンサーを兼ねたモジュラー・シンセ主軸のドローン空間に、ギターやハーモニウム、バグパイプ&木管)、パーカス等々を適時絡め、おそらくインプロ主体のセッションで曲を作り上げていくスタイルなのだが、ハウスやミニマル、プログレ、実験音楽などの各要素が、浮かんでは消えながらいつの間にか盛り上がったり場面転換していく、何とも不思議で流していて心地好いサウンドスケープ。前作より若干彩りが増している印象もあって、正しくサイケなグッド・トリップ系の好盤と思う。
輸入盤
(Psyche/Electronics,Drone,Minimal / Paper-Sleeve CD(2022) / Rocket Recordings/UK)