フランスのラープスから、限定ペーパースリーヴでのリリース。エコパック見開き紙ジャケ仕様、LTD.200枚プレスのシリアル・ナンバー入。ソンミ451は、ベルギーのハッセルトを拠点とするサウンド・アーティスト兼エレクトロニクス奏者、ベルナルト・スヴィゼンのソロ・ユニットで、05年頃から、配信や自主制作CDを交えて作品をリリースし続けている。本作は、21年にリリースされた12枚目のアルバムで、モーグ(ムーグ)、ピアノ等の楽器、エレクトロン・オクタトラック、インストゥルオ・アーバー、モーファジン等のサンプリング・モジュールの他、音楽制作ソフトのエイブルトン・ライヴやマルチエフェクター等々を駆使した、全てスヴィゼン1人による制作。例えば、リドリー・スコットの「ブレード・ランナー」的湿ったダーク感と、少し視界の悪い水中をたゆたうような浮遊感が交叉する、わりと独特なドローン・アンビエント方面のサウンドを展開。淡いノイズ空間に、ピアノやエレピ、クラリネット、人声、パルス、ゆるいシーケンサー等々が浮かんでは消える揺らぎ感の中で、全体がある程度終末的ダーク感を担保しつつも、どこか光が漏れる方に近づいていくような感覚は、ともかくも静謐で流していて心地好い。この近未来SF的文学色は、デイヴィッド・ミッチェルのオムニバス小説「クラウド・アトラス」の中の1つ、「ソンミ451のオリゾン」から命名したらしいユニット名とも関連ありやなしやといったところだが、世代的にはソンミと聞くとベトナム戦争時の「ソンミ村の虐殺」を思い出してしまう。何はともあれサウンドスケープが整い過ぎてなくて、わりと自由に情感に浸れる好盤と思う。
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輸入盤/200枚限定プレス
(Psyche/Electronics,Ambient,Drone,Progressive / Paper-Sleeve CD(2021) / Laaps/France)