国内のストレンジ・デイズ/ユニバーサルから、07年新規リマスター&ペーパースリーヴでのリシュー。見開き紙ジャケ仕様。ロバート・アシュリーは、ミシガン州アナーバー出身の実験音楽&エレクトロニクス系のコンポーザー兼パフォーマーで、66年にデヴィッド・バーマンやアルヴィン・ルシェ等と共にソニック・アーツ・ユニオンを設立して、実験音楽ユニットとして活発に演奏ツアーを敢行、70年代以降はブルー・ジーン・ティラニー等の助力で独自の音響作品を制作した。本作は、74年にイタリアのクランプス/ムジカ・ノヴァからリリースされたアルバムで、邦題は「サラ、メンケン、キリスト、そしてベートーヴェン、そこには男と女がいた」、オリジナル・インナーバッグ付、内スリーヴのライナー対訳付。メンバーは、アシュリー、ポール・デマリニス、プロデュースはジャンニ・エミリオ・シモネッティ。ジョン・バートン・ウォルガモットが44年に発表した同名の詩を、アシュリーがウィスパー調でリーディングして、それにデマリニスがムーグでレスポンスするという感じなのだが、どこまでが作曲されていてどこからが即興なのかは判らない。ペケポコ・ピラピロといった感じの変テコなフラグメントのムーグは、ノイジーだが非常に耳触りがよく、センテンスがどこまでも繋がっていく起伏の薄いアシュリーのリーディングも、それぞれに奇妙な心地好さがあってマッチングが絶妙。電子音響系としては異端かも知れないが、正しくサイケな好盤と思う。ポップ・アート系デザインのスリーヴも面白い。
ストレンジ・デイズ盤/国内プレス(Japanese-pressing CD)/デッドストック入荷
(Psyche/Electronics,Ambient,Drone / Paper-Sleeve CD(2007 Re-master) / Strange Days/Japan)