ドイツのビュロー・Bから、デジパックでのリリース。リシャール・ピナスはパリ出身のギタリストで、ジル・ドゥルーズの下で哲学を学んでいた大学在学中にスキゾを結成、スキゾを母体として発展したエルドンでの活動で何より知られていると思う。現在もソロやメルツバウとの共演等々で精力的に活動を続けているある意味孤高の存在。本作は、17年にリリースされた新作で、長年に渡って契約していたUSAキュニフォームから、新たにドイツのビュロー・Bにレーベル移籍した第1弾。メンバーは、『タスク・フォース』とクレジットされているピナス、オーレン・アンバーチ、アルテュール・ナンシー(ex.パーチュリアス/PARTURIAS)のトリオ編成を基本に、曲によって秋田昌美(aka.メルツバウ)、ピナスの息子のダンカン・ニルソン・ピナス、フローリアン・タタール、ウィリアム・ウィナント等が適時参加している。ピナスとアンバーチは、14年の連名作品「Tikkun」に続くコラボレーションで、ナンシーの鋭角なドラムもピナスのサウンド・スタイルにマッチングがよく、概ね近年のエルドン回帰路線の流れに沿ったサウンド。もう10年近いパートナーシップとなった秋田昌美や、息子のダンカン・ニルソンも当然の如くハマっていて、時折ディディエ・バタールっぽくなるタタールのベースや、意外に無機質なウィナントのパーカスもアクセントを添えている。全体にノリのより炸裂感と終末的ドローン感が交叉していて、近年のピナス作品としてはお馴染みの金太郎飴感十分だが、それでもこのダンディなSF的ペシミズム感は、ともかくも正しくサイケで捨て難いカッコよさを放つ。EUプレス盤
輸入盤/デッドストック入荷
(Psyche/Drone,Electronics,Noise / Digi-Pack CD(2017) / Bureau B/German,EU)