USAのメタル・ポストカードから、3面開きデジスリーヴ&2CDでのリリース。500枚限定プレス盤。パルス・エミッターは、オレゴン州ポートランドを拠点とするコンポーザー兼シンセ奏者のダリル・グレッチュのソロ・ユニットで、グレッチュ名義も含めると02年頃からCDやEP、カセット・テープ、配信等々で100枚を超える作品をコンスタントにリリースし続けている。本作は、03-13年におけるアンソロジー集2枚組で、グレッチュ本人が自らセレクトしたということらしい。メンバーは、全編グレッチュ1人によるアナログ・シンセ&エレクトロニクスによる多重録音で、タンジェリン・ドリームやクラウス・シュルツェの系譜にサイバネティックスなセンスを加味した、『ポスト・ベルリン・スクール系』方面のサウンド。シュルツェ的ホワイトノイズやタンジェリン的メロディ&フラグメントが、スペイシーなドローン空間に的を射たシンプルなアレンジで配置されていて、センスもよく熟れている印象。浮遊していて、各フラグメントの使い方が熟れていて上手く、流していて非常に心地好い。短いリフやフレーズ、ノイズ音のフラクタルな繰り返しは、ミニマル的要素内包のアンビエントなサウンドスケープでもあるが、「繰り返し」が主役ではなく全体がアブストラクトなドローン感に収束していて、ダークになり過ぎずかといってニュー・エイジ系の軽さにはならない、淡い情感の担保も絶妙。ほぼ『シーケンサーの入らないタンジェリン・ドリーム』として、けっこう楽しめる好盤と思う。チェコ・プレス盤
輸入盤/限定500枚プレス/デッドストック入荷
(Psyche/Electronics,Drone,Ambient / Digi-Sleeve 2CD(2014) / Metal Postcard/USA,Czech)