UKのフラッシュバック・レコードからのリシュー。ニック・カーターはおそらくブリストル出身のキーボーティストで、ゼーン・トロウと共に72年頃からマイペースで音楽活動を行っていたらしい。本作は、79年に250枚のプライヴェート・プレスで自主制作盤としてリリースされた唯一のアルバムで、メンバーは、ピアノ&ボーカルのカーターを軸に、シャイル・パーテル、デイヴ・スタッブス、ケン・ウィーラー(ex.ワイルド・ビースツ)、ニック・ハーラーデンス(ex.スレッショルド,シャドウランド,etc)、ゼーン・トロウ、キャロル・ロバートソン等が曲によって適時参加。概ね、アンビエント/ミニマル方面の要素とエレポップ方面の要素が、非常に煮え切らないマッチングを見せるローファイなサウンドを展開。ミニマリスティックなピアノのリフ&フレーズを基調に、アンニュイな呟きスタイルのボーカル、チープなお風呂的リヴァーブ処理やシンセ、素人臭いシタール&タブラ等々が、何とも妙なハミ出し感で交叉。音色や音数のチョイスは、わりと素直にダサくて決して洗練されたセンスとはいえないが、そのイモっぽさが独特の味わいを生んでいる印象で、流していてけっこう楽しめたりする。知名度は皆無かも知れないが、アングラな内省感とカラっと素朴なポップネスのミスマッチが面白く、どこか人懐っこい捨て難さがあって、案外正しくサイケな好盤と思う。
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輸入盤
(Psyche/Electronics,Lo-Fi,Ambient / Jewel-case CD(2015) / Flashback Records/UK)