イタリアのライト・イヤーから、デジパックでのリリース。マクシム・ドヌックはベルギーのブリュッセルを拠点とするフランス人コンポーザー&エレクトロニクス奏者で、パイプ・オルガンをMIDI制御する手法を用いたテクノ/トランス系作品の他、ラファエル・エナールとのデュオ・ユニット、プラプラ・ピンキーでの活動でも知られているかも知れない。本作は、26年にリリースされたサード・アルバムで、メンバーはパイプ・オルガン&プログラミングのドヌック1人による演奏で、プロデュースはエナール。フランスの国立研究機関IRCAMが開発したプログラミング環境MAX/MSPとOSC(Open Sound Control)システムを使って、デュッセルドルフの聖アントニウス教会付パイプ・オルガンをMIDI制御して制作した作品で、ソフトなトランス色とディープなドローン色が交叉する、わりと洗練された響きのサウンドスケープを堪能出来る。前半はそれなりに速いパッセージーを主軸としたトランシーな雰囲気だが、中程から後半にかけてはゆったりとしたドローン色が主軸となっていて、全体を通すと埋没感十分。さらに、ポポル・ヴーの「アギーレ」のようなコーラス・オルガン的音色が適時鳴り響いていて、特に後半のドローン感は流していて素直に心地好い。都会的な音像を担保しつつアンバーで内省的な淡い郷愁感に誘われる、優れて瞑想的な好盤と思う。
輸入盤
(Psyche/Electronics,Ambient,Drone,Trance / Digi-Pack CD(2026) / Light-Years/Italy)