ドイツ/EUのMIG/メイド・イン・ジャーマニーからのリシュー。ミヒャエル・ヘーニヒはハンブルク出身のキーボーティスト＆エレクトロニクス奏者で、アジテーション・フリー、タンジェリン・ドリームでの活動を経て77年からソロに転じた。80年代以降は「ナインハーフ」などの映画、90年代以降はPCゲーム「バルダーズ・ゲイト」シリーズなどのサウンドトラックの方で知られているかも知れない。マニュエル・ゲッチングはベルリン出身のギタリストで、何よりアシュ・ラ・テンペル／アシュ・ラでの活動で知られていると思う。エレクトロニクス＆アンビエント音響系やテクノ＆ハウス系ミュージシャン達に、現在も広く影響を与えリスペクトされ続けているビック・ネーム。本作は、95年にドイツのミュジーク・アントンポラレ/M.I.から発掘盤としてリリースされたアルバムで、76年秋のセッション音源を収録したもの。M.I.盤と同じヘーニヒによるリマスター＆レストアのクレジットで、今回年新規リマスターなのかは不明。メンバーは、ヘーニヒとゲッチングのデュオ編成。シーケンサーにシンセ(ムーグ,アープ,オーバーハイム,EMS他)やオルガンを絡めた、タンジェリンやクラウス・シュルツェ的なエレクトロニクス空間に、ギターやテープ・エコー、ホワイトノイズ等の装飾が適時飛び交う、いわゆるベルリン・スクール系サウンドを展開。基本ダークながら暗過ぎずのミニマリスティックなリフ＆フレーズが、フラクタルなアンビエント感に収束していて、ある種のエレガントさが担保された、流していて非常に心地好いサウンドスケープ。全体に没入感十分でギターのハマりもカッコよく、近未来SF調の詩的で淡い情感を放つ好盤と思う。ゲッチングに合掌！。
輸入盤
(Psyche/Electronics,Ambient / Jewel-case CD(2023) / MIG/Made In Germany/German,EU)
