UKのリーフ・レーベルから、見開きデジスリーヴ&2CDでのリリース。マーコフは、メキシコのティファナ出身の音響アーティスト、フェルナンド・コローナのユニットで、90年代にプログレ系バンドのソニオス、エレクトロニクス・プロジェクトのテレストレ、99年以降のノルテック・コレクティブでの活動を経て、02年にソロに転じた。本作は、21年にリリースされたソロ名義エイス・アルバムで、前作「ロスト・イン・タイム」から7年振りのソロ作品。ジュネーブの舞踏劇団、「アライアス」のための舞台音楽マテリアルを基にした2枚組で、エレクトロニクス、シンセ、その他、プロデュースとミックスも含め、全てをコローナ1人で制作。概ね、08年「ヴェルサイユ・セッション」以降のダークなエレクトロニクス音響路線で、シンセのピアノ、ストリングス音やホワイトノイズのクラシカルなドローン感、スペイシーなフラグメント、時折絡むインダストリアル調の強くないリズム等々、全てが絶妙のリヴァーブ感の中でシリアスな透徹感に収束。個々のメロディやリフ、フレーズは美しく音色も洗練されているが、それぞれにそれ程強い主張はなく、全体としてバランスをとりながら1つのストーリーに収斂する印象。中世カトリックの汎ヨーロッパ的な闇を内包する重厚な空気感と、プログレ的アレンジがマッチングしたサウンドは、結果として優れて瞑想的なスピリチュアル感も放っていて、静謐なエレクトロニクス系としても聴き応え十分の、ディープな緊張感が心地好い好盤と思う。
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輸入盤
(Psyche/Electronics,Drone,Progressive / Digi-Sleeve 2CD(2021) / Leaf/UK)