ドイツのメイド・イン・ジャーマニー/MIGから、おそらく本編と同時期の未発表曲1曲をボーナスで加えてのリシュー。17年MIG盤と同じリマスター音源、ボーナス曲も同じ。クラウス・シュルツェはベルリン出身のエレクトロニクス奏者&ドラマーで、タンジェリン・ドリームとアシュ・ラ・テンペルを経て、現在もソロ活動を続けるジャーマン・エレクトロニクス界のビッグ・ネーム。22年4月に闘病の末他界した。本作は、77年にUKアイランドとドイツのブレインからリリースされたソロ名義エイス・アルバムで、シンセ、キーボード、エレクトロニクス、シーケンサー等を駆使した、全編シュルツェ1人によるパフォーマンス。UKアイランドだったからなのか、当時ほぼリアルタイムで国内盤LPがリリースされたことや、もしかしてシュルツェの曲の中では最も美しいものの1つかも知れない「クリスタル・レイク」が収録されていることから、日本では代表作とされることの多い作品。全体に一貫してダークだが、アブストラクトなシンセの壁的ドローンから多少のうねりに発展する「ヴェルヴェット・ボヤージュ」、美しいミニマル調の透明感フレーズから凪のようなドローンを経て、嵐のようなカタルシスに至る「クリスタル・レイク」、どちらも透徹感十分の30分近い渾身のナンバーという印象。クールで洗練されたロマン派的なセンスの背後に、内面的熱量の大きさが隠れている感じというか、ホワイトノイズやシーケンサー、メロトロンの使い方がさりげなく見事で、クールさを担保したまま盛り上がる様は素直にカッコいい。ベルリン・スクール系云々を抜きにしても、普通にシンセ・ミュージック系の好盤と思う。わりとオルガン多用の19分に及ぶボーナス曲も、本編と同系統のサウンド。合掌!。
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輸入盤
(Psyche/Electronics,Progressive / Jewel-case CD(2022 '17Re-master) / MIG/German)