UKのアッシュ・インターナショナルから、見開きデジスリーヴでのリリース。チャンドラ・シュクラはカリフォルニア州アラメダ出身のインド系アメリカ人で、サイキックTVやザンブカでの活動の他、エロトトックス・デコーディングス・レーベルの共同経営者としても知られているかも知れない。パンディット・ハビブ・カーンにシタールを、パンディット・スワパン・チャンドゥーリにタブラを師事して北インド古典音楽を学び、92年にジェネシス・P・オリッジと知り合ってサイキックTVに参加、以降はP・オリッジ関連やローデリウス、ディー・エンゲル、ナース・ウィズ・ワウンド等々、数多のアーティストやプロジュアクトとの共演活動も行っている。本作は、24年にリリースされたソロ名義ファースト・アルバムで、シタール、ギター、ベース、エレクトロニクスをマルチに熟すシュクラ1人による制作。『北インド古典音楽モチーフのシタール・マテリアルに、モジュラー・シンセ、MIDIコントローラー、スタジオ・エフェクトやギターによる装飾を加えて、インド音楽特有のメディテーショナルなムードをアンビエント&ドローン・ミュージックのフォーマットに落とし込んだサウンド』ということだが、インダストリアル方面のノイズ色とダークなスペイシー色を担保しつつ、インド音楽的瞑想感と70年代中期タンジェリン・ドリーム的エレクトロニクス感が交叉。ちょっと独特の冷たいシリアスさと透徹感を放っていて、全体がドローン感に収束する、正しくサイケなサウンドスケープを堪能出来る。
輸入盤
(Psyche/Electronics,Drone,Ambient / Digi-Pack CD(2024) / Ash International/UK)