USAのアメリカン・ドリーム・レコードから、デジパックでのリリース。クレア・ラウジーはテキサス州サン・アントニオを拠点とする実験音楽家兼パフォーマーで、19年頃からカセット・テープやLP、配信で数多のソロ作品の他、モア・イーズ、キャロル・ジェネッティ、アレックス・カニンガム、ジェイコブ・ウィック等々との共演作品もリリースしている。本作は、21年にリリースされたアルバムで、もしかしたらソロ作としては初めてのCDリリースかも知れない。メンバーは、クレアのエレクトロニクスを軸に、曲によってカニンガム、メイシー・スチュワート、リサ・コール、ベン・ベイカー・ビリントンが適時参加、『本作は、ミュージシャンのクレア・ラウジーと、アーティストのダニ・トーラルとのコラボレーション』とのクレジットもある。生活音やフィールド音、人声や会話などの日常ノイズのコラージュ空間に、淡い爪弾きピアノやドローン調シンセ、ヴァイオリン、チェロ等が浮かんではフェード・アウトしていく、非常にゆったりしたサウンドを展開。おそらく、スリーヴを担当したダニのヴィジュアル・マテリアルも交えた、何らかのインスタレーション作品なのかも知れず、全体に優れて映像的なサウンドスケープ。例えば「ピンボケ」しつつある記憶の中で、過ぎ去りし日々を懐かしむかのように、日常的な情景が内省的な郷愁感に埋没してく感じは、ある意味文学的孤独感も十分。ミュージック・コンクレート手法を基調としたドローン・アンビエント系としても、素直に心地好い好盤と思う。
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輸入盤
(Psyche/Electronics,Experimental,Ambient,Drone / Digi-Pack CD(2021) / American Dream Records/USA)