UK/EUのディンから1000枚限定プレスでのリリース。ブルーテックは、カリフォルニア州サンディエゴ出身のサイビエント系DJ&プロデューサー、エヴァン・バーソロミューのソロ・ユニットで、90年代末頃から活動を開始、09年以降はジェームズ(aka.キロ)・ワッツ(ex.ヴードゥー,スキーターズ,etc)とともにインヴィジブル・アライアンスでも活動している。本作は、18年にリリースされた(おそらく)ブルーテック名義11枚目のアルバムで、ムーグ・ヴォイジャー、アープ・オデッセイ、デヴィッド・スミス・プロフェットや各種モジュラー・シンセ、各種エフェクト・アタッチメント、ソウトウェア・インストゥルメント等々を駆使した、プロデュース兼任のバーソロミューによる多重レコーディングを基本に、1曲でイアン・ボディ(ex.アーク,レッド・シフト,etc)がゲスト参加。例えば、70年代中期頃のタンジェリン・ドリームやクラウス・シュルツェ辺りに遠からずの、ミニマルやドローンの要素をプログレ調センスで括ったエレクトロニクス・アンビエントを展開していて、過剰にならないリズム・シーケンスとしつこくないメロディ的リフ&フレーズが、わりといい塩梅のフラクタル構造に収束。前述の機材群による音像は、只今50代以上のリスナーにはある種の懐かしさを内包した70年代感と、80年代末~90年代初頭の黎明期CGアニメーションのサントラ辺りを彷彿させられる印象だが、必然のチョイスとしての自然さ十分で、あざとさや浮ついた感じはない。『ダブやディープ・テクノの影響を受けた、メロディー重視のダウンテンポ・ミュージック』と評される通り、抑制的なトーンと落ち着いた郷愁感に淡々と浸れる、優れて瞑想的で流していて心地好い好盤と思う。
輸入盤/限定1000枚プレス/デッドストック入荷
(Psyche/Electronics,Minimal,Ambient,Progressive / Digi-Pack CD(2018) / DiN/UK,EU)