UKのメトロン・レコードから、見開きデジスリーヴでのリシュー。おそらく限定300枚プレス。盛岡夕美子は東京都出身のピアニスト兼作曲家で、71年に高校生でアメリカに留学してヨルダ・ノヴィックにピアノを師事、79年にサンフランシスコ音楽学院を首席で卒業後帰国、クラシックのピアニスト以外に宮下智の名で田原俊彦や少年隊などに楽曲を提供した。87年にニュー・エイジ系アルバム「余韻(レゾナンス)」を発表後、アメリカ人との結婚を機に再度渡米してショコラティエに転身するが、近年帰国して再び音楽活動を始めたらしい。本作は、その87年に伊藤詳(ex.ファー・イースト・ファミリー・バンド)主宰のグリーン&ウォーターからリリースされた(只今のところ)ソロ名義唯一のアルバムで、ジャック・ハードウィックのデザインによるオリジナルとは違う新装スリーヴ仕様。メンバーは、ピアノ&キーボードの盛岡を核に、曲によって真鍋平太郎がオーボエ、豊田貴志がヴァイオリンで適時参加、盛岡と伊藤(レコーディング・エンジニア兼任)の共同プロデュース。概ね、サティ調のピアノを軸としたピアノ・アンビエント方面で、ゆったりとしたアルペジオと爪弾き風フラグメントが組み合わさったピアノは、まどろみ感十分で素直に美しく、時折聴こえるオーボエやヴァイオリン、シンセの控え目なメロディのハマりもよい。全体に淡々とした静謐さが支配的で、アンバーなドローン感に収束するサウンドスケープは、ともかくも流していて心地好い。涼やかで耳触りのよい好盤と思う。
輸入盤/300枚限定プレス
(Psyche/Minimal,Ambient / Digi-Sleeve CD(2026) / Metron Records/UK)