オーストラリアのチャプター・ミュージックから、デジパックでのリリース。ワイリンダは、オーストラリアのフレーザー島の先住民族、ブチュラ族(アボリジニ)のシンガーのフレッド・レオーネと、近年アルヴィン・ルシェ等々との共演でアンビエント/エレクトロニクス方面でも活動する、コントラバス&マルチ奏者&プロデューサーのサミュエル・パンクハーストが新たに結成したユニット。本作は、23年にリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、ボーカル、パーカス等のレオーネ、コントラバス、ピアノ、シンセ、エレクトロニクス等のパンクハーストの2人、プロデュースはパンクハースト。フレーザー島の古代アボリジニ語を使った、語りと囁きと呟きが入り交じった独特のシンギングが、生楽器やシンセ、サンプリング等を組み合わせた、ミュジック・コンクレート要素内包のエレクトロニクス空間に浮遊する、非常に見事なエスニック・ドローン・アンビエント方面のサウンドを展開。どこか懐かしくて原初的な古代アボリジニ語の余韻と、淡い郷愁感が担保されたエレクトロニクスの有機的なニュアンスが、殊の外よいマッチングのハマりを見せる。例えば、フラグメントのチョイスのセンスがローデリウスに近似するというか、必ずしも子どもが遊んでいるのような無邪気さばかりではないものの、ある種の無垢さや柔らかさ、優しさなどのニュアンスは、わりとローデリウスを彷彿させられる印象。スピリチュアルさは十分に感じられるがしつこくはなく、全体に溢れる失いゆくものを慈しむような情感がともかくも心地好い、時間の流れと空気の色が変わる好盤と思う。素敵!。
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輸入盤
(Psyche/Ambient,Electronics,Ethnic / Digi-Pack CD(2023) / Chapter Music/Australia)