USAのウエスタン・ヴィニールから、ペーパースリーヴでのリリース。見開き紙ジャケ仕様。トム・ロジャーソンはサフォーク州出身のキーボーティストで、ロンドンのロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージックを卒業後ニュー・ヨークに移住、ソロやスリー・トラップド・タイガースでの活動の他、17年にブライアン・イーノとのコラボレーションでピアノ&エレクトロニクス・アンビエント系アルバムを制作した。本作は、22年にリリースされたソロ名義セカンド・アルバムで、ピアノ、鼻歌的ハミング、エレクトロニクスによる全てロジャーソン1人の演奏、プロデュースはレオ・エイブラハムズ。概ね、前述のイーノとのコラボ作品の延長線上にある、ピアノ・アンビエント調サウンドを展開していて、ミニマル色を内包したピアノのアルペジオとエレガントな響きのコードを軸に、時折ハミング調の薄いボーカルやエレクトロニクスの淡いノイズが交叉。しっとりと落ち着いたトーン基調のピアノは、例えばエリック・サティ辺りに通じる内省感で、その意味ではポスト・クラシカル的な要素も感じられ、そのままイーノ方面のアンビエント感にも直結する印象。また、全体のアンバーな空気感やスタイリッシュなエレガントさが、キース・ジャレットの「ケルン・コンサート」辺りにも近似していて、ともかくも流していて非常に心地好いサウンドスケープ。リヴァーブ感の絶妙さやいい塩梅の浮遊感も含め、しつこ過ぎない木漏れ日的情感が静謐なドローン感に収束する、柔らかくて美しい好盤と思う。
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輸入盤
(Psyche/Ambient,Post Classical,Minimal / Paper-Sleeve CD(2021) / Western Vinyl/USA)