USAのツァディクから、2枚組でのリリース。テリー・ライリーはカリフォルニア州コルファックス出身の作曲家兼鍵盤＆管楽器奏者で、スティーヴ・ライヒやフィリップ・グラス等と共にコンテンポラリー・ミニマル・ミュージックを代表するアーティストの1人であり、パンディット・プラン・ナートとラモンテ・ヤングに影響を受けたサイケ色の強いサウンドで知られている。本作は、12年にリリースされたアルバムだが、レコーディングは08年のマテリアル。コルグ・トリトン・スタジオ88シンセサイザーを使った、全てライリー1人による即興演奏で、美しい月夜にレコーディングしたとクレジットがある通りの、非常に妖しくてダークな夜の雰囲気が全編に漂う。サックスとアコーディオンをミックスして、少しオルガンぽい音も加味したような、わりと独特の音色のフレーズとテーマが、広がったり縮まったりしながらオーロラのように幾重にも重なる様は見事で、ミニマリスティックな部分とドローンな部分のダイナミズムも絶妙。アレフとは、英語のAに当たるヘブライ語のアルファベットの最初の文字だが、全体を支配する原初的な感覚と時空を超えるトリップ感はライリーの諸作品に通低するもので、即興であろうが楽譜通りであろうが、単調なトーンを出発点として必ず宇宙の果てに連れていかれる感覚がある。この人のサウンドにあってはいつものことだが、正しくサイケで優れて瞑想的、引き締まった透徹感を放っていて、確実に時間の流れと空気の色が変わる。心地好し！。
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輸入盤／デッドストック入荷
(Psyche/Medidtation,Minimal / Jewel-case 2CD(2012) / Tzadik/USA)
