スイスのWRWTFWW(ウィー・リリース・ホワットエヴァー・ザ・ファック・ウィー・ウオント)レコードから、デジパックでのリシュー。芦川聡は東京都出身の作曲家で、アール・ヴィヴァンを経て82年にサウンド・プロセス(83年にサウンド・プロセス・デザインに発展)を設立、自身や吉村弘、広瀬豊などのアルバムを制作したが、83年に交通事故で急逝した。アール・ヴィヴァン勤務時代から、ブライアン・イーノの環境音楽を音楽雑誌で紹介するなど、日本のアンビエント・ミュージックの隆盛に尽力した知る人ぞ知る存在。本作は、82年に日本サウンド・プロセスからリリースされた唯一のアルバムで、『波の記譜法(Wave Notation)』シリーズの第2弾(第1弾は吉川弘の「ナイン・ポスト・カード」)。芦川本人や高田みどりがが書いた英文ライナー付。クレジット・メンバーは、作曲とプロデュース(おそらくエレクトロニクス&エフェクトも)の芦川を軸に、内海裕子(ハープ)、薗智子(ピアノ)、高田みどり(ヴィブラフォン,ピアノ)、荒瀬順子(ヴィブラフォン)、芦川まさみ(フルート)等が曲によって適時参加。東洋的音階を多用した、前述の楽器群によるミニマル・フラグメントが、絶妙なサウンドスケープに収束するアンビエント・サウンドを展開。概ね、イーノの初期環境音楽作品群の影響が感じられ、淡い情感やドローン感は「ミュージック・フォー・エアポーツ」、サウンドスケープ具合は「鏡面界」辺りに近似する印象。ともかくも静謐さが心地好い、正しくサイケな好盤と思う。全体に漂うエレガントさは、演奏者が全員女性ということもあるかも知れない。
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(Psyche/Ambient,Drone,Soundscape / Digi-Pack CD(2019) / We Release Whatever The Fuck We Want Records/Switz)