国内のワーナー・ミュージック・ジャパンからのリシュー。スティーヴ・ライヒはニュー・ヨーク出身の作曲家で、コーネル大学で哲学を修めた後、ジュリアード音楽院やミルズ・カレッジで現代音楽を学んだ。同じフレーズの位相をズラす「フェイズ・シフティング」手法を考案し、アフリカ音楽やガムランのリズム・パターンを取り込んだミニマル・ミュージックの先駆者で、ジョン・ケージやテリー・ライリーと共に現代音楽/エクスペリメンタル・ミュージックを代表するビッグ・ネーム。本作は、88年9月にレコーディングされたクロノス・カルテットによる「ディファレント・トレインズ」と、87年10月にレコーディングされたパット・メセニーによる「エレクトリック・カウンターポイント」を収録したアルバムで、89年にUSAエレクトラ・ノンサッチからリリースされた。プロデュースはジュディス・シャーマン。「ディファレント~」は、戦争にまつわる人生のドラマを汽車をモチーフに展開した作品で、弦楽器によるズラし反復手法(ヴァイオリン・フェイズ)が、かなり見事な汽車のイメージを喚起させられて驚かされる。カルテットは、デヴィッド・ハリントン、ジョン・シェルバ、ハンク・ダット、ジョーン・ジーンレナウドの4人。「エレクトリック・カウンターポイント」は、12本のギター&ベースによるギター・フェイズ作品で、フレーズがレイヤーのように積み重なるフラクタル構造を、メセニーの澄み渡る美しいギターで展開。リバーヴのかかり具合やフレーズのズレ具合がともかくも絶妙で、例えば電線の中を跳ね回る光子の描写のようなイメージ。特に「エレクトリック~」の心地好さは絶品で、数多あるミニマル&瞑想系作品の最高峰の1つと確信する。素晴らしい!。
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国内盤
(Psyche/Minimal,Meditation,Progressive / Jewel-case CD(2013) / Warner/Japan)