UKのアンシーン・ワールズから、ペーパースリーヴでのリリース。マット紙紙ジャケ仕様。ロバート・ヘイ(ロブ・ヘイ)はサウス・ヨークシャー州バーンズリー出身のピアニスト＆エレクトロニクス奏者＆実験音楽家で、80年にトレヴァー・レイディ(ex.モノクローム・セット)とのトゥルース・クラブ／フォートで活動を開始後、セマ、ナース・ウィズ・ワウンド、オムニ・トリオ等々を経て、現在もソロで活動している。本作は、22年にリリースされたソロ名義イレヴンス・アルバムで、ピアノ、プリペアド・ピアノ、シンセ、エレクトロニクス等による、ヘイ1人の多重レコーディング作品。マスタリングはステファン・マチュー(ex.ストール,メイン,etc)。17年「クリーチャーズ・オブ・ザ・ディープ」、20年「ブラック・サラバンド」に続く『ピアノ・アルバム3部作』の最終編で、このシリーズの『サティ的ピアノ＋イーノ的音響感』を十分に担保しつつ、ピアノの背景に浮遊するシンセ＆エレクトロニクスのノイズ・フラグメントやドローンに、例えばローデリウス的なニュアンスが加味されている印象。というのも、初心者向けの練習曲のようなシンプルさを軸としたピアノのメロディやアルペジオ、可愛らしいモアレ感のシンセ＆エレクトロニクスが、全体として子どもの無垢さのようなテイストに収束していて、どこか懐かしいセピア調の感覚に誘われる。絶妙のサステイン加減とリヴァーブ感のピアノの響きと、ダークネス内包のノイズ・フラグメントのマッチングが非常に見事で、ともかくも流していて心地好い好盤と思う。余談だが、ヘイは本作で音楽活動を止めて、絵画などの他の創作活動に専念すると宣言しているらしい。
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輸入盤
(Psyche/Ambient,Meditation,Electronics / Paper-Sleeve CD(2022) / Unseen Worlds/UK)
