UK/EUのパネジェリク/DGMから、85年のリーグ・オブ・ジェントルメン音源と未発表音源の計2曲をボーナスで加えての、22年新規リマスターでのリシュー。ロバート・フリップはドーセット州ウィンボーン・ミンスター出身のギタリストで、何よりキング・クリムゾンでの活動で知られていると思う。フリッパートロニクスを源とした独自のギター・システムを駆使して、現在もクリムゾンやソロ、ユニット等で孤高の美学を追求するビッグ・ネーム。本作は、80年にUKのE.G.からリリースされたセカンド・ソロ・アルバムで、クレジット・メンバーは、フリップ、バスター・ジョーンズ、ポール・ダスキン、デヴィッド・バーンの4人。LP旧A面「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」は、79年7月30日のカリフォルニア州バークレーでのライヴ音源のエディットで、ギター&フリッパートロニクスによるフリップのソロ・パフォーマンス、LP旧B面「アンダー・ヘヴィ・マナーズ」は、「ゴッド・セイヴ~」と同時期のフリッパートロニクス・ライヴ音源を基調に、トーキング・ヘッズのバーンとジョーンズ、ジョーンズのソロ・アルバムに参加していたダスキンとのセッションをエディットしたもの。フリップ&イーノのギスギスした先鋭感を継承しつつ、現在のギター・アンビエント・スタイルに繋がるドローン感を模索する「ゴッド・セイヴ~」、トーキング・ヘッズ調ポスト・ロック色がインチキ・ディスコ&人力テクノ感に収束する「アンダー~」、どちらもその線として素直に上等でカッコよく、対比も鮮やかで面白い好盤と思う。余談だが、ボーナスの6曲目は本編の5曲目をリーグ・オブ・ジェントルメンでセルフ・カヴァーしたもの。
輸入盤
(Progressive/Ambient,Electronics,Post Rock/ Jewel-case CD(2022 Re-master) / Panegyric/UK,EU)