ドイツのビュロー・Bから、09年新規リマスター&デジパックでのリシュー。ハンス・ヨアヒム・ローデリウスはベルリン出身のピアニスト、エレクトロニクス奏者&実験音楽家で、68年にコンラッド・シュニッツラー等と共に音楽共同体『ヒューマンビーイング』と、それに伴う『ゾディアック・フリー・アート・ラボ』を設立した。ラボに出入りしていたスイス人のディーター・メビウスと、シュニッツラーの3人で「K」のクラスターを結成、シュニッツラー脱退後はメビウスと2人で「C」のクラスターを継続、ノイ!のミヒャエル・ローターとのハルモニアやブライアン・イーノとのクラスター&イーノ等のコラボレーションの他、現在も現役でソロ活動を行うジャーマン・エレクトロニクス系のビッグ・ネーム。本作は、78年にドイツのスカイからリリースされたソロ名義ファースト・アルバムで、メンバーはローデリウスを軸に、コニー・プランク、ヨーゾ・クリスト、メビウスが曲によって適時参加、プランクとローデリウスの共同プロデュース。珍しくギターが前面に出た、奇妙な太さのクラウト・サイケ調の1曲目から、雨のジャングルの喧噪をクラスター的音響サウンドで表現したようなメビウス参加の6曲目まで、可愛らしいオモチャがヒョコヒョコと動き回るイメージのウインド・チャイムス的なパーカスが随所で鳴り響き、どこかユーモラスでゆるいシンセやSEが飛び交う、ほのかに有機的で暖かいサウンド。例えば3曲目の「ヨハネの欲望」に代表される独特の情感も含め、全体に漂うこの田舎っぽい郷愁感はまぎれもなくローデリウスのセンスで、無上の心地好さを放つ正しくサイケな好盤と思う。ともかくも可愛らしくて面白くて素敵。
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(Psyche/Ambient,Electronics,Progressive,Strange / Digi-Pack CD(2009 Re-master) / Bureau B/German)