国内のSRRD/サイレント・リヴァー・ランズ・ディープから、21年の新録音等計4曲をボーナスで加えてのリシュー。多分初CD化。オシレーション・サーキットは、キーボーティスト兼コンポーザーの磯田健一郎が、東京農工大在学中の83年にサウンド・プロセス・デザイン社に企画を相談して結成されたレコーディング・ユニットで、本作は84年に日本サウンド・プロセスからリリースされた唯一のアルバム。メンバーは、磯田健一郎、廣橋浩、須川展也、磯田重晴の4人で、オルガン、エレピ、サックスを軸に、適時パーカスが入る、ドビュッシー的ミニマル・ミュージック調のエレガントなサウンドを展開。ボーナスは、基本的に磯田の現在のユニットのTHE TOYBOX/といぼっくす関連で、「ノクターン(4曲目)」、「ノクターン II(5,6曲目)」は21年録音(大城正司、西川幾子参加)、「夜曲(7曲目)」は、09年「THE TOYBOX/Garbage Collection」に収録さていた「ノクターン II」のリアレンジ版(大城、木ノ脇道元、高田元太郎参加)。磯田自身は、主にスティーヴ・ライヒ、ブライアン・イーノ、YMO、キング・クリムゾン「ディシプリン」辺りの影響が大きい旨を述べているようだが、ボーナス群も含め非常にエレガントで涼やかなミニマル・アンビエント調サウンドで、ゆったりした揺らぎと品のよい静謐さが、ともかくも流していて心地好い。例えば「ノクターン」は『入眠幻覚』をテーマとしているそうで、どの曲もその方面のライヒ、イーノ、フィリップ・グラス辺りの透明感や無機的ドローン感を、ドビュッシー的な室内楽調で括ったような印象。発売当時アール・ヴィヴァン中心の販売だったオリジナルLPは、おそらく300枚程度のプレスで、現在はけっこうなコレクターズ・アイテムのようだが、そういったプレミアム云々を抜きにしても、優れて瞑想的で美しい好盤と思う。心地好し!。
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SRRD盤
(Psyche/Minimal,Ambient,Drone / Jewel-case CD(2023) / Silent River Runs Deep/Japan)