USAのスリル・ジョッキーから、限定ペーパースリーヴでのリリース。紙ジャケ仕様。メアリー・ラティモアはフィラデルフィア出身のハープ奏者で、本格的なコンサート・ハープとエレクトロニクス&エフェクトを組み合わせた、独特の音響系アンビエント・サウンドを展開する。17年以降は活動拠点をロサンジェルスに移したようだ。ウォルト・マックレメントはロサンジェルスを拠点に活動するエレクトロニクス&マルチ奏者で、ダーク・ダーク・ダークやウェイズ・ブラッド(aka.ナタリー・ローラ・メリング)への参加等で知られているかも知れない。本作は、24年にリリースされたデュオ名義ファースト・アルバムで、メンバーは、ハープ、シンセ、ピアノ、ベル等のメアリー、アコーディオン、エレクトロニクス、ベル等のマックレメントの2人。22年12月に、ロスのマックレメントのアパートでレコーディングされた、『ハープとアコーディオンのロングフォーム・インプロヴィゼーション』を基調に、適時オーバーダブを加えトリートメント&エディットした音源と思われる。アコーディオンやシンセ&エレクトロニクスを軸としたドローン空間に、ミニマル色内包のハープやピアノ、ハンドベルなどなどが浮かんでは消える、儚くも美しいアンビエント調サウンドを展開。適時変調させたりさせなかったりのハープやピアノは、ミニマリスティックなサウンドスケープが見事で、包み込むような耳触りの柔らかいドローンも、絶妙なリヴァーヴ塩梅のハマりが秀逸。ともかくも流していて心地好く、全体が淡い情感に収束する静謐でアンバーな好盤と思う。素晴らしい!。
輸入盤
(Psyche/Ambient,Drone,Electronics / Paper-Sleeve CD(2024) / Thrill Jockey/USA)