イタリアのダーク・コンパニオン/マ・ラ・ケシュ・レコードから、限定500枚プレスの見開きデジスリーヴでのリリース。マルクス・シュトックハウゼン(電子音楽の巨人カールハインツの息子)はケルン出身のトランペッターで、79年のオーシャン・オーケストラや80年のヤスペル・ファント・ホフとの連名アルバム、84年以降の長いECM時代を経て、現在はアンビエント・ジャズ畑に軸足を置いて活動。リノ・カプラ・ヴァッキーナはおそらくミラノ出身のパーッカショニスト兼コンポーザーで、ミラノ市立音楽院でパーカッション、ピアノ、作曲、合唱を学び、73年のアクトゥアラ結成に19歳で参加、その後フランコ・バッティアートのテライオ・マグネティコを経てソロ活動に転じた。アリレザ・モルタザヴィはイラン人のペルシアン・サントゥール奏者兼実験音楽家で、近年はマルクスとの共演も多い。本作は、22年にリリースされた3人の連名名義アルバムで、 メンバーは、トランペット&フリューゲルホルンのマルクス、ヴィブラフォン&各種パーカスのヴァッキーナの2人を軸に、曲によってモルタザヴィがサントゥールで適時参加、プロデュースはマクス・マルキーニ。ヴィブラフォンとゴング、チャイムス群によるドローン空間に、マティアス・アイク辺りとはまた違った夕暮れ調のトランペットが鳴り響く、非常に静謐で美しいアンビエント・サウンドを展開。時折聴こえるサントゥールも、アラビックな香りを乗せて運んでくる涼やかな風のようで、とてもよいアクセントを生んでいる。全体にフレーズやメロディが柔らかくて、実験音楽的な強面感は薄く、シリアスな緊張感が淡い情感と澄んだ空気感に収束する好盤と思う。優れて瞑想的で、ともかくも流していて心地好い。
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輸入盤/500枚限定プレス
(Psyche/Ambient,Drone,Electronics / Digi-Sleeve CD(2022) / Dark Companion/Italy)