イタリアのダーク・コンパニオン/マ・ラ・ケシュ・レコードから、マット紙&デジスリーヴでのリリース。限定300枚プレス盤で、オーディオフィー・ゴールド・ディスク。リノ・カプラ・ヴァッキーナはおそらくミラノ出身のパーカッショニスト兼コンポーザーで、ミラノ市立音楽院でパーカッション、ピアノ、作曲、合唱を学び、73年のアクトゥアラ結成に19歳で参加、その後フランコ・バッティアートのテライオ・マグネティコを経てソロ活動に転じた。本作は、24年にリリースされたソロ名義アルバムで、メンバーは、ヴィブラフォン、ピアノ、シンセ、各種パーカス等々のヴァッキーナ1人による多重レコーディング、プロデュースはマクス・マルキーニ(ダーク・コンパニオン・レーベル主宰)。概ね、前作「シンクレティコ・モダーレ」と同傾向のドローン・アンビエント方面だが、ヴィブラフォンやピアノ、パーカスの残響音を引き伸ばしたり、シーケンサーのようなパルス音に変容させたり、シンセと共鳴させたり重ねたりと、わりと変化に富んでいて面白いサウンドを展開していて、ピアノやヴィブラフォンの生音が主軸だった前作とは、少々趣を異にする。この、残響&共鳴音のドローン感は、例えばステファン・ミュカスやフランク・ペリーのパーカス音響方面にも通じるサウンドスケープだが、内面のスピリチュアル感を追及したミュカスやペリー辺りとは違って、むしろ音響空間そのものの本質を存在たらしめる方向という印象。その意味では、スタイリッシュなダーク・ドローン系として非常に秀逸で、なおかつある種の淡い古代イタリア的情感も十分に担保されていて、ポポル・ヴーの「ファラオの庭で」のようなメディテーション感を放つ。正しくサイケな好盤と思う。
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輸入盤/300枚限定プレス
(Psyche/Drone,Ambient,Progressive / Digi-Sleeve CD(2020) / Dark Companion/Italy)