イタリアのダーク・コンパニオン/マ・ラ・ケシュ・レコードから、マット紙&ブック型デジスリーヴでのリリース。限定300枚プレス盤で、シリアル・ナンバー入。リノ・カプラ・ヴァッキーナはおそらくミラノ出身のパーカッショニスト兼コンポーザーで、ミラノ市立音楽院でパーカッション、ピアノ、作曲、合唱を学び、73年のアクトゥアラ結成に19歳で参加、その後フランコ・バッティアートのテライオ・マグネティコを経てソロ活動に転じた。本作は、22年にリリースされたソロ名義アルバムで、メンバーは、ピアノ、ヴィブラフォン、各種マレット、ゴング、チャイムス、ハーモニウム、タブラ、各種パーカス、声などヴァッキーナ1人による多重レコーディングを基本に、1曲でカミッロ・モッツォーニがオーボエで参加、プロデュースはマクス・マルキーニ。概ね、ピアノやヴィブラフォンを軸としたモーダルなコードの、ペダルを踏みっぱなしにした残響音空間に、ゆったりしたテーマやメロディが浮遊するドローン・アンビエント調サウンドを展開。例えば教会のような、ある程度の広さがあって天井の高い室内空間でレコーディングしていると思われ、共鳴が生む非常に静謐な響きの残響音と、淡いノイズ感を内包した儚げなテーマやメロディが、原初的なスピリチュアル感に見事に収束。このサウンドスケープは、センスのよいヴァッキーナの楽曲と演奏は勿論、おそらくエンジニアのアルベルト・カレガリの手腕も大いにあって、一瞬にして時空を超えた古代ローマ的イメージへのトリップへと誘われる。ポポル・ヴーの「ホシアナ・マントラ」や「幻日の彼方に」辺りのピアノの響きに似た、目を細めて遠くを見つめるような内省的情感十分で、流していて心地好い文句なしの大好盤と思う。ともかくも美しい。
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輸入盤/300枚限定プレス
(Psyche/Ambient,Drone,Minimal,Progressive / Digi-Sleeve CD(2020) / Dark Companion/Italy)