オーストリアのエディションズ・メゴから、デジパックでのリリース。KMRU/ヨーゼフ・カマルはケニア出身のサウンド・アーティスト&プロデューサーで、2010年代後半からベルリンとナイロビを拠点に活動を始め、レジデント・アドバイザーの18年度版『東アフリカの注目アーティスト15人』の1人に選ばれ、20年から一気に配信、CD、LP、カセット等で作品リリースも開始した。本作は、おそらく「ザール」に続くセカンド・アルバムで(「ザール」は20年5月、本作は20年7月)、メンバーは、プロデュース兼任でエレクトロニクスとフィールド・レコーディングを駆使するカマル1人。概ね、全体が淡い郷愁的情感に収束する、非常に淡々としたドローン・アンビエント・サウンドを展開していて、ほわ〜っとした浮遊感の中に、どこか儚げで線の細い寂寞感のようなものが漂う感じ。フィールド・レコーディング・マテリアルは、シンセのドローンに溶け込むように変容/抽象化されていて、何か具体的なイメージを誘う「音」はほとんど聴こえてこないが、それがかえって優れて瞑想的なサウンドスケープを創出している印象。その、ゆったりとした揺らぎが果てしなく続くようなサウンドスケープは見事で、スリーヴ写真のような東アフリカの涼やかな夜のイメージなのかも知れず、一方である種のシリアスな空気感も担保されていて、ともかくも流していて心地好い好盤と思う。
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輸入盤
(Psyche/Drone,Electronics,Ambient / Digi-Pack CD(2020) / Editions Mego/Austria)