USAのテンポラル・ドリフトから、25年新規リマスター&デジパックでのリシュー。オビ付。吉村弘は横浜市出身の作曲家で、64年に早稲田大学第二文学部美術科を卒業後、グラフィック&サウンド・デザイナー&コンポーザーとして活動を始めた。80年代以降は、芦川聡のサウンド・プロセス/サウンド・プロセス・デザインや尾島由郎の複製技術工房等とも関わりながら、様々な公共施設のサウンド・デザインを手掛けアルバムもリリースした、日本のアンビエント/環境音楽系のビッグ・ネーム。本作は、87年に制作が終了していたにもかかわらずオクラ入となり、03年に吉村が逝去したことを受けて、06年に日本PREMから追悼盤的ニュアンスで発掘リリースされた作品で、86年「サラウンド」、「グリーン」に続く幻のセクス・アルバム。おそらく「サラウンド」、「グリーン」と同様に、シンセ(ヤマハDX7,TX7,FB01,etc)、シーケンサー(ローランドMSQ700,etc)、コンピューター等々を駆使した吉村1人による多重録音、ホンダタミコとタカマツヤスシの共同プロデュース。基本的には前2作の延長線上というか同傾向のアンビエント方面で、淡い水彩画調のパステル絵の具感も十分に担保されているが、それ程ミニマル色は強くなく、柔らかくて優しい耳触りのメロディが前面に顕われている印象。澄んだ水の底的なドローン調のサウンドスケープは相変わらず美しく、淡々とした木漏れ日的情感が清涼感満点の空気感に収束する好盤と思う。心地好し!。
輸入盤
(Psyche/Ambient,Minimal,Soundscape / Digi-Pack CD(2025 Re-master) / Temporal Drift/USA)