スイスのWRWTFWW(ウィー・リリース・ホワットエヴァー・ザ・ファック・ウィー・ウオント)レコードから、デジパックでのリリース。ガレス・クイン・レッドモンドは、ダブリンを拠点に活動するアイルランド人アンビエント／ミニマル系コンポーザー兼プロデューサーで、17年頃からデータ配信で作品をリリースしているニュー・カマー。本作は、19年にリリースされたおそらく初のCDアルバムで、17年1月にデータ配信リリースされたマテリアルのCD化のようだが、18年10,11月のレコーディング＆ミックスとのクレジットがあって、何かしら新たに手を加えたのかも知れない。『芦川聡の人生と仕事に捧げる』旨の文言通り、基本的には芦川聡の82年作品「スティル・アウェイ」にインスパイアされて制作した作品らしく、その辺りのことはクイン・レッドモンド本人や高田みどりがが書いた英文ライナーでも解説されている。概ね、静謐で透明感十分のアンビエント／ミニマル・サウンドを展開していて、ピアノ、エレピ、ヴィブラフォン、ヴァイオリン、ホワイトノイズ等々のサンプリング・フラグメントが、淡い情感のドローン感に収束する、非常に美しいサウンドスケープを堪能出来る。この、少しだけセンチな郷愁感や絶妙な音響感は、イーノの環境音楽の透徹感を東洋的音階で展開した、芦川の「スティル・アウェイ」に確かに近似する感じ。そこに、北西ヨーロッパ的な薄曇り調のアンバー感が再び加味され、いい塩梅の冷たさとエレガントさが生じていて、正しくサイケで流していてとても心地好い大好盤と思う。素晴らしい！。
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輸入盤
(Psyche/Ambient,Minimal,Drone / Digi-Pack CD(2019) / We Release Whatever The Fuck We Want Records/Switz)
