USAのスポッテッド・ペッカリーから、88~89年の未発表曲4曲をボーナスで加えての、本人による10年新規リマスター&見開きデジスリーヴでのリシュー。エリク・ウォローはヘムセダール出身のノルウェー人ギタリストで、テリエ・リピタルに師事し一部ではその継承者ともいわれた。ベンディク・ホフセスとのチェレステを経て、80年代前半からソロ活動を開始、主にギター、ギター・シンセ、エレクトロニクス等を使った、ダークな情感を放つ独自のニュー・エイジ&音響系作品をリリースし続けている。本作は、90年にノルウェーのオリゴ・サウンドからリリースされたソロ名義フィフス・アルバムで、11年の500枚限定スポッテッド・ペッカリー盤3枚組(85年サード、90年フィフス、92年セクスのカップリング)の、おそらく21年再プレスのバラ売り。メンバーは、ギター・シンセ、キーボード、シーケンサー、パーカス等々を駆使したウォロー1人による多重録音が基本で、曲によってヤン・ヴィーゼ、リレ・フローエン・サックス・クァルテットが適時ゲスト参加、プロデュースもウォロー。淡い哀愁としつこくない情感を放つ、しっとりと静謐な佇まいのアンビエント・ミュージックを展開していて、絶妙のリバーヴ感と柔らかい空気感が、前に出ない感じのアンバーなドローン感に収束するサウンドスケープは、ともかくも流していて非常に心地好い。この、ニューエイジ調の聴きやすさを担保しつつ、没入感を誘うメディテーション感は見事で、過度にならないシンプルなサウンド・プロダクションの妙が素晴らしい、かなりの好盤と思う。余談だが、近年NHKのドキュメント番組で度々ウォローの諸作が使われていて、ディレクターに好きな人がいるのかも知れない。
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輸入盤
(Psyche/Ambient,Drone,Progressive / Digi-Sleeve CD(2021 '11Re-master) / Spotted Peccary/USA)