USAのプロジェクトから、デジパックでのリリース。LTD.1000。エリク・ウォローはヘムセダール出身のノルウェー人ギタリストで、テリエ・リピタルに師事し一部ではその継承者ともいわれた。ベンディク・ホフセスとのチェレステを経て、80年代前半からソロ活動を開始、主にギター、ギター・シンセ、エレクトロニクス等を使った、ダークな情感を放つ独自のニュー・エイジ&音響系作品をリリースし続けている。本作は、21年にリリースされたアルバムで、エレキ・ギター、ギター・シンセ、シーケンサー、パーカス、プログラミングを駆使した、ウォロー1人による多重レコーディング。概ね、前作「インフィニト・モーメンツ」の延長線上にある、ギターを主軸としたドローン・アンビエント方面変わらずだが、ギターやギター・シンセをエレクトロニクスに溶け込ませるセンスが絶妙というか、抜群のアンビエント感を堪能出来る。常に淡く穏やかな郷愁感を担保しつつ、いい塩梅のリヴァーブ感の中でミニマリスティックに鳴り響くギターと、どこか遠くで鳴っているようなギター・シンセ&エレクトロニクスが、静謐なスペイシー感に収束していくサウンドスケープは、相変わらずメディテーション・ミュージックとしても内省感十分。いわゆるニュー・エイジ・ミュージック程ライトではなく、サウンド・デザインが云々という程ソフィスティケイトされている感じでもないが、何かしらの人間らしい情感が滲み出ていて、ともかくも流していて非常に心地好い。優れて瞑想的で静謐な好盤と思う。少なくとも、00年以降のこの人の作品に駄作はない。素晴らしい!。
輸入盤/限定1000枚プレス
(Psyche/Progressive,Meditation,Drone,Ambient / Digi-Pack CD(2021) / Projekt/USA)