USAのフリーダム・トゥ・スペンドから、19年新規リマスター&見開きペーパースリーヴでのリリース。多分初CD化。アーネスト・フッドはノースカロライナ州シャーロット出身のギタリストで、1940年代からオレゴン州ポートランドを拠点に、管楽器奏者で弟のビル・フッドとともにジャズのセッション・ギタリストとして活動した。50年代にポリオに罹って車椅子の人となった後、ギターをチターに持ち替えてチター奏者として淡々と活動、フローラ・プリム等のアルバムにも参加している。本作は、75年にUSAシルスフィールドからプライヴェート・プレスでリリースされた唯一のアルバム「ネイバーフッズ」で、22年再プレス盤。メンバーは、チター、シンセ、フィールド・レコーディングを駆使したアーネスト1人による多重レコーディングで、オレゴン州の旅でこつこつと録りためたフィールド・レコーディング・マテリアルに、チター&シンセでサントラを付けた『ミュージカル・ピクチャーズ』的内容。田舎の家族の会話や子どもたちの遊ぶ様子、飼い犬の鳴き声、テレビやラジオ音、車の音、花火大会などの生活音、鳥の囀りや虫の鳴き声、風の音などの自然音を軸としたマテリアルに、セピア調の郷愁感を内包した淡いチターやシンセが寄り添う構成で、自分自身の少年時代をテーマに古き良きアメリカの情景を描写したものということらしい。フィールド・レコーディングのコラージュという意味ではミュージック・コンクレートど真ん中だが、言葉がわからなくても十分にシネマティックで、耳触りのよいサウンドスケープはともかくも流していて心地好い。全体が淡い情感に収束する、架空サントラ的様相の好盤と思う。スリーヴも含め素敵!。
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輸入盤
(Psyche/Ambient,Swamp,Electronics / Paper-Sleeve CD(2019/2022 Re-master) / Freedom To Spend/USA)