UKのノイジー・レコードからのリリース。デヴィッド・クロスはデヴォン州プリマス出身のヴァイオリニストで、何よりキング・クリムゾンでの活動で知られるビッグ・ネーム。アンドリュー・キーリングは、おそらく北イングランド出身のフルート奏者兼コンポーザー兼アレンジャーで、クラシック畑での活動が主だが、プログレ系リスナーにはロバート・フリップ、デヴィッド・シングルトンとの共作「ザ・ワイン・オブ・サイレンス」や、T.2.の「1971-72」、近年のジュディ・ダイブルやティム・ボウネス等のアルバムへの参加で知られているかも知れない。本作は、22年にリリースされたクロスとキーリングのデュオ名義セカンド・アルバムで、10年ファースト「イングリッシュ・サン(黄昏の英国)」から12年振りの作品。メンバーは、エレ&アコ・ヴァイオリン、ヴィオレクトラ(5弦骸骨ヴァイオリン)のクロス、フルート、キーボード、ギターのキーリングのデュオ編成。クロスとしては、06年のナオミ・マキとの共作「アンバウンデッド」、前述の「イングリッシュ・サン」に続く『エレクトリック・チェンバー・ミュージック』シリーズ第3弾で、基本的には「イングリッシュ・サン」の内省チェンバー感を継承した物悲しいダーク・アンビエント調サウンドを展開。各種ヴァイオリンとフルートのデュオ即興を軸に適時オーバーダブも交えた演奏と、プログレ、ジャズ、現代音楽、中世古楽等の各要素が交叉する楽曲のマッチングは、ともかくも透徹感と緊張感十分でシリアスに美しい。正しくサイケなリヴァーブ感が絶妙で、結果として全体がドローン的アンビエント感に収束する好盤と思う。
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輸入盤
(Psyche/Progressive,Ambient,Chamber Music / Jewel-case CD(2021) / Noisy Records/UK)