UKのフッド・フェアーから、限定ペーパー・スリーヴでのリリース。紙ジャケ仕様、インナーバッグ入。ディーン・マクフィーはおそらくウェスト・ヨークシャー州ブラッドフォードドを拠点とするギタリストで、本作は15年にリリースされたソロ名義セカンド・アルバム。ミニマル色を内包するアルペジオやリフ、フレーズをマルチ・レコーダーでループさせて、そこに新たなメロディやフレーズを重ねてアンサンブルを構築する、ワン・マン・バンド・スタイルでの演奏。概ね、いい塩梅のリヴァーブ感とクリアー・トーンを軸としたギター・アンビエント方面で、おそらく北イングランド周辺のトラッドを基調とした楽曲と、プログレ的アレンジが交叉。ミニマリスティックなフレーズやアルペジオに、もの悲しげなメロディが淡々と鳴り響く、ともかくも流していて心地好いサウンド。全体にプログレ的哀愁十分だがしつこくはなく、内省的で前に出ない感じの佇まいが美しい透明感に収束。ドローン感を担保するフィードバック・ノイズの使い方もハマっていて、ゆったりとした浮遊感の中に顕れる冷たさや湿った質感、ある種の諦観のようなものは、雪の降り積もる地方の感覚という印象。ユダヤ教やイスラム教で邪眼からの魔除けとして使われるハムサ的な、フェデリコ・コルテーゼの絵「雪の結晶」をあしらったスリーヴも悪くなく、アンビエント・プログレ系の好盤と思う。
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輸入盤／デッドストック入荷
(Psyche/Ambient,Progressive / Paper-Sleeve CD(2015) / Hood Faire/UK)
