USAのラヴリー・ミュージック・リミテッドからのリシュー。最近再プレスされたらしい。デビッド・バーマンはオーストリア生まれアメリカ育ちのコンポーザー兼電子音楽家で、ハーバード大学での音楽教育修得後、59年にドイツのダルムシュタット夏季現代音楽講習会でラ・モンテ・ヤングやナム・ジュン・パイクと親交を深め、60年代初頭にコロムビア・レコードのプロデューサーとしてテリー・ライリーの「インC」を担当。66年にロバート・アシュリー、アルヴィン・ルシェ等と共にソニック・アーツ・ユニオンを設立し、実験音楽ユニットとして活発に演奏ツアーを敢行、68～07年にかけてはマース・カニンガムのダンス音楽も度々手掛けた。本作は、77年にUSAラヴリー・ミュージック・リミテッドからリリースされたソロ名義ファースト・アルバムで、クレジット・メンバーは、バーマン、マギー・パイン、アーサー・スタッドフォール、デヴィッド・ギブソン、ジーン・ティラニー、リチャード・ラインハルト等々。バーマンのエレクトロニクスと、フルートとバスーン(1曲目)、チェロ(2曲目)との即興演奏を、ピッチ(周波数)・コントローラー＆チェンジャーをプログラムしたKIM-1マイクロ・コンピューターのディヴァイスを通して変容させた、非常に独特のサウンドを展開。1,2曲目ともに淡々としたドローン・エレクトロニクス的電子音響と呼べる感じで、特に絶妙の間と儚い郷愁感が穏やかな午後の陽だまり的空気感に収束する1曲目は、雲上を漂うような無上の浮遊感を放つ。導入部の不安げなダーク感が、しだいに1曲目同様のセピア色的郷愁感に漸近していく2曲目も含め、幽玄な時間と空間のイメージはともかくも心地好く、正しくサイケで優れて瞑想的な、文句なしの大好盤と思う。素晴らしい！。
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輸入盤
(Psyche/Drone,Electronics,Ambient / Jewel-case CD(1996/2020s?) / Lovely Music Ltd./USA)
