UKのEMI/ヴァージンから、09年新規DSDリマスターでのリシュー。クリアで奥行きが出ていて、非常に音質がよくなっている。ブライアン・イーノはサフォーク州ウッドブリッジ出身の音響アーティスト、プロデューサー、コンポーザー、キーボーティストで、ロキシー・ミュージックでの活動を経て、キング・クリムゾンのロバート・フリップと共作した2枚のアルバム以降、クラスターやハルモニアとの共演や、オブスキュア&アンビエント・レーベルの設立など、いわゆる環境音楽/アンビエント・ミュージックの方向を確立していったビッグ・ネーム。本作は、80年にUKアンビエントからリリースされたエイス・アルバムで、ハロルド・バッドの弾くピアノをイ-ノがトリートメントして制作された、アンビエント・ミュージックを聴くならハズせない1枚。ミニマル&ループ感のある淡々としたピアノの響きが、絶妙の深さのリバーヴに包まれて広がっていく様は、ともかくもひたすら心地好く、以後ピアノ・アンビエント系で数多のフォロワー作品を生んだという意味でも、まどろみ方面のスタイルを確立させた金字塔的サウンド。肯定的な柔らかい空気感を軸に、まさに『天上の音楽』的な唯一無比のヒプノティック感を放っていて、意識の輪郭が融けながら滲んでいくような感覚。確実に時空間を超えられる、優れて瞑想的なサウンドスケープで、例えば二度寝するときの吸い込まれていくような心地好さにも近い、およそ文句なしの大好盤と思う。本当に素晴らしい!。EUプレス盤
輸入盤/デッドストック入荷
(Psyche/Ambient,Electronics / Jewel-case CD(2009 DSD Re-master) / EMI/Virgin/UK,EU)